2009年1月29日木曜日

胃癌手術後の食事について

胃癌手術後の食事については、ネットで、情報を見つけた。

http://www.tch.toyama.toyama.jp/main/shinryo_info/geka/syokji.pdf

富山市民病院のホームページだ

最近ある日突然、ネット上の記事がなくなって大変困ることがあるので、ちょっと抜粋を記しておこう。


 胃癌の術後の食事の摂り方は,個人差が大きく、全員に当てはまるわく、原則的な注意事項として以下があげられる。

(1)口で胃を補う
口の中では食物が細かくされ,唾液に含まれている酵素である程度消化も行われます.さらに唾液と混じることで消化管の中をスム-ズに移動できるようになります.ただし,あまり長いこと咬んでいると食事が少しもおいしくないので,ある程度細かくなればよいと思います.食事が嫌にならないことが大事です.

(2)ゆっくり食べる
 胃が小さい,あるいは無いので初めに入ったものが流れ出てゆくまで,ゆっくり食べる必要が有ります.ある程度のスピ-ドで食べて,お腹がいっぱいになる少し前でやめるのがよいのですが,このスピ-ドは手術方法や食事の内容でも変わり,一律に決めることは出来ません.各自が試行錯誤し適切な速度を見つける必要が有ります.

(3)少なめに食べる
 これはゆっくり食べることよりも大切かもしれません.経験で覚えてもらうしかない.少なめの量からはじめて少しづつ量を増やし,自分がどれくらい食べられるか自分で判断する必要が有ります.食べ過ぎるとお腹の上の方が張ってきますので苦しくなります.多くは1-2時間我慢していると楽になります.これを繰り返すと自分に適当な量がわかってきます.
 ところで少なめに食べることをなかなか守れない人には2つのタイプが有ります.一つは調子が良くて,食欲があってつい早く沢山食べてしまう人.もう一つは体重を何とか増やそうとして,無理して詰め込むタイプです.最初のタイプの人には食べ過ぎて懲りてもらうしか仕方が有りません.二つ目のタイプの人には,あせって体重を増やす必要がないことを充分理解して欲しいと思います.胃の手術後の食事療法の目的は,もとの体重に戻ることではなく腹8 分目でおいしく食事が出来るということにあることを忘れてはいけません.
ちなみに,胃を切った人の平均体重は,術前の約90%です.これを基準に考えてください.

(4)食べてすぐ横にならない
 胃が正常の人でも仰向けに寝ると,食べたものがすべて胃の入り口の部分にたまってしまいます.この部分は胃の運動の最も少ない部分ですので,食べ物は少しも胃から出ていかず胃がもたれた感じがするのです.まして,手術後の胃は動きがとても悪いので,胃から出ていくのはあとから詰め込まれた食物に押し出されるか,重力にしたがって流れていくかのいずれかです.詰め込んだ場合には巧く流れていくより,むしろ苦しくなることの方が多いので避けたほうが賢明です.胃の一部が残る手術のあとには,食べたあと座っているか,軽く散歩するなどして,食べ物が重力にしたがって流れやすい状態を作ってやるのが一番です.

(5)少量で栄養のあるものを食べる
 食べられる量は少ないが,充分な栄養はとりたいとすれば,少量でも栄養のあるものを食べるのがよいことは明らかです.重量当たりのカロリ-が高いのは,油を使った食品とか,肉や魚のような食品です.もちろん米とかパンや芋類も栄養価の高い食品です.ところが,往々にして胃の手術をした人は,肉や油のたぐいは避け,野菜をぐつぐつ煮たものをたべたり,食べさせられたりしています.
これは,よく煮た野菜がなんとなく手術した胃に優しいのではないか,という感じがあるからだと思いますが,体力の回復のためには必ずしも勧められません.大根や白菜などのカロリ-などしれたものです.油ものは,手術後しばらくは,下痢や腹痛を起こすので食べにくいこともありますが,少量ずつ慣らしていけばやがて食べられるようになります肉や魚も消化は良い食品ですので,ぜひ積極的にとって欲しい食品です.その他,蛋白質としては,卵,牛乳,チ-ズ,豆類(豆腐,納豆)等もよいでしょう.牛乳は人によっては下痢のため全く飲めない場合があります.こういう方は無理してまで飲む必要はありません.ただ,飲める方にとっては,牛乳は脂肪分も多く含まれ同時に水分も摂取できますので,胃手術後の理想的食品の一つと言えると思います.

(6)水分も忘れずに
 お茶や水を飲むとそれだけでお腹がいっぱいになり,食事の量が減るので,ほとんど水分をとらない人がいます.これは間違った考え方です.水分は飲んでも流れていきやすく,しかも吸収は固形物に比べて格段に速いので,飲んだあとしばらくすれば必ず食事は入るようになります.ただし,食事中の水分摂取はダンピングを起こしやすくするので,程々にしてください.また,夏場などは汗が出るため水分が失われやすく,どんどん体重が減って不安になる人のいます.急に痩せるのはほとんどの場合水分の喪失で,急に脂肪が減ってしまうことはありません.このような場合には点滴で水分を補うのが最も手っ取り早い方法です.また,最近いろいろなスポ-ツドリンクが売られていますが,これは成分も点滴によくにており,消化管からの吸収もよくなるように作られていますので,点滴のかわりにこれを飲むのもよい方法です.常用すれば夏バテの予防にもなります.

(7)甘いものは食べてもよい
 食事をすると食べ物が急に小腸に入り込むため,ダンピング症状というのが起きることがあります.その食べ物の中には糖分も入っていますが,これが急に小腸で吸収されると血液の糖分(血糖)が急激に上昇します.すると,体はこれは大変と,血糖を下げるホルモン(インシュリン)をどっと出すようになります.すると今度は血糖が下がりすぎて,低血糖になることがあります.血糖が下がりすぎると独特の症状が出るので慣れるとすぐにわかります.不安な感じになり,手足や体の力が抜け,胸がドキドキしてきて,大量の汗が出てきます.時には意識がなくなってしまうこともあります.
このような時には甘いものをすぐに食べたり飲んだりしてください.
ビスケットやあめ玉,氷砂糖,甘い飲み物などがよいでしょう.このようなときに備えて,ポケットに甘いものをいつも入れておき,このような症状が出たらすぐに食べるようにしてください.運転しているときにこのような症状が出ると,特に危険ですので注意してください.このような症状がしばしば出る人は,食後2 時間位したら,甘いものを食べて,低血糖をあらかじめ予防するのも一つの方法です.

(8)寝る直前に固形物は食べない
 夜になるとお腹が空いて寝つけなることは,健康な人ばかりでなく胃の手術を受けた人も同じです.このようなときにカスの大量に出る果物や,油濃い物を食べて寝てはいけません.寝てしまうと,食べたものは翌朝まで胃の中にとどまり,翌朝お腹のもたれた感じがします.また,肉類や油類を食べると,胆汁などの消化液が寝た後に大量に出てきて逆流し,口からあふれ出てきて極めて不快な思いをすることがあります.寝る直前はどんなにお腹が空いてもジュ-スなどのカスの出ないものにしておいてください.

(9)何でも食べてよい
 胃の手術をしたからといって,何も特別な食事を用意する必要はありません.胃が小さくなっただけ,お腹全体の性能が変わったわけではないのです.自動車で言えばガソリンタンクが小さくなったようなものです.タンクが小さくなっても入れるガソリンは一緒です.少なめに入れてまめに給油することが必要になるだけです.よく,わさびや芥子などの香辛料を避けるようにとかいてある本がありますが,その必要はありません.常識的な範囲で香辛料を使われて結構です.カレ-ライスやコ-ヒ-も特に制限する必要はありません.
 ただ,大きな固まりを飲み込まないようにしてください.お腹の手術をすると,すべての人でお腹の中に癒着が起こります.癒着の場所や程度はさまざまですが,必ず起こります.そのため,腸などがお腹の中であちこちに癒着して折れ曲がった状態になります.大きな食べ物がそこに来るとカ-ブを曲がりきれずに詰まってしまうことがあります.とくに詰まりやすいのは生野菜(ピ-マン,トマトなど),キノコ類,海藻類,タケノコ,ちくわ,コンニャクなどですが,すこし細かめに調理し,普通によく咬んで食べれば大丈夫です.

(10)お酒は?
 肝機能がよければお酒を飲んでもかまいません.ただし,お酒が急に小腸に入ると,砂糖と一緒ですぐに吸収されるので,血液のアルコ-ル濃度が急に上がるようになり,以前より酔いやすく,さめやすい状態になります.少しの量からはじめてください.泡のでる飲み物はやめたほうがよいとかいてある本もありますが,個人差がありますのでためしてみてもよいでしょう.
 胃の手術をしたあとは,病気に対する不安から,アルコ-ルを毎日大量に飲み,肝臓をこわしたり,アルコ-ル依存になったりする人のいます.過ぎたるは及ばざるがごとしという諺を,思い出してください.

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